大地震に備える「防災・減災」普段からできる小さな心がけ
大地震は、いつ、どこで起こるかわかりません。
私たちは地震そのものを防ぐことはできませんが、地震によって受ける被害を少しでも減らすことはできます。
そのために大切なのが、「防災」と「減災」という考え方です。
防災とは、災害に備えること。
そして減災とは、災害が起きたときに、その被害をできるだけ小さくすることです。
防災というと、水や非常食、懐中電灯などの備蓄を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろん、こうした備えも大切です。しかし、本当に大切なのは、地震が起きていない普段の生活の中で、危険を一つずつ減らしておくことではないでしょうか。
家の中を安全にする
大地震が起きたとき、最初に自分や家族の身を守る場所は、多くの場合、自宅です。
だからこそ、普段から家の中を見回し、「地震が起きたら危険になるものはないか」を確認しておきましょう。
タンスや本棚、食器棚などの家具は、できるだけ転倒しないよう固定します。
テレビや家電なども、転倒や落下を防ぐ対策をしておくと安心です。
また、家具を固定するだけでは十分ではありません。家具が倒れても避難経路を塞がないように配置することも重要です。
特に寝室では、ベッドの近くに背の高い家具を置かないなど、寝ているときの安全も考えておきましょう。
ドアも「減災」のポイント
大地震では、建物やドア枠が変形することで、普段は問題なく開くドアが開きにくくなったり、開かなくなったりする可能性があります。
特に寝室などでは、ドアが開かなくなることで避難が難しくなることも考えられます。
そのため、就寝時には居室のドアを5~10cm程度、少し開けておくという方法もあります。
これは、地震が起きてからドアを開けに行くという意味ではありません。
強い揺れが起きている最中は、まず頭を守るなど、自分の身を守ることが最優先です。
普段からドアを少し開けておくことで、万一ドアが変形した場合でも、避難経路を確保しやすくするという考え方です。
もちろん、住宅の構造やドアの種類によっては常時開放が適さない場合もありますので、安全を確認したうえで行いましょう。
「夜の地震」を想定する
地震は昼間に起こるとは限りません。寝ているときに突然、大きな揺れに襲われることも想定しておく必要があります。枕元には、
- 懐中電灯
- スマートフォン
- メガネ
- 靴やスリッパ
など、すぐに手に取れるものを用意しておきましょう。地震の後には、家具や食器、窓ガラスなどが床に散乱する可能性があります。暗い中を裸足で歩くことは大きな危険につながります。
**「夜中に地震が起きたらどうするか」**を一度考えておくだけでも、備え方は変わってきます。
逃げ道を確保する
地震が起きたとき、避難しようとしても通路が塞がれていては安全に移動できません。
- 廊下や玄関に物を置かない。
- 家具が倒れて通路を塞がないようにする。
- 玄関付近にも大きな家具を置かない。
こうした普段の心がけが、いざというときの避難につながります。一度、自宅の中を歩きながら、「今、大地震が起きたら、ここから安全に外へ出られるだろうか?」と考えてみることをおすすめします。
水・食料だけでなく「トイレ」も備える
大地震では、電気・ガス・水道などのライフラインが止まる可能性があります。
飲料水や食料を備蓄しておくことはもちろんですが、忘れてはいけないのがトイレの備えです。
断水していなくても、下水管などが損傷してトイレを流せない場合があります。
そのため、非常食だけでなく、簡易トイレも十分に備えておきましょう。
「水」「食料」「トイレ」
この3つは、災害後の生活を考えるうえで特に重要な備えです。
家族で「そのとき」を話し合う
大地震が起きたとき、家族全員が同じ場所にいるとは限りません。
仕事中、学校、外出中など、それぞれ別の場所にいる可能性があります。
だからこそ、平常時に家族で話し合っておくことが大切です。
- 「どこで待ち合わせるのか」
- 「どこへ避難するのか」
- 「連絡が取れない場合はどうするのか」
などをあらかじめ決めておけば、いざというときに落ち着いて行動しやすくなります。
自宅周辺の危険を知る
自宅の中だけでなく、普段生活している地域についても確認しておきましょう。
自治体のハザードマップを確認し、避難場所や避難経路を把握しておきます。
さらに、実際に自宅周辺を歩いて、
- 古い建物
- ブロック塀
- 狭い道路
- 崖や斜面
- 川や水路
- 大きな看板
- 電柱など
地震後に危険になりそうな場所を確認しておくことも大切です。
普段は安全に通れる道でも、大地震の後には建物や塀の倒壊などによって通れなくなる可能性があります。
避難経路は一つだけでなく、複数考えておきましょう。
情報を得る手段も備える
大地震では停電や通信障害が発生する可能性があります。
スマートフォンは重要な情報手段ですが、それだけに頼るのではなく、懐中電灯やラジオなど、複数の手段を準備しておくと安心です。
モバイルバッテリーも普段から充電しておきましょう。
「もし今、地震が起きたら」と考える
防災・減災のために、特別なことを一度にすべて始める必要はありません。まずは、
- 家具は倒れないか。
- 逃げ道は確保されているか。
- ドアは開けられる状態か。
- 夜に地震が起きても大丈夫か。
- 水や食料、トイレは備えてあるか。
- 家族と避難について話し合っているか。
- 自宅周辺の危険を知っているか。
こうしたことを一つずつ確認してみましょう。
大切なのは、災害が起きてから考えるのではなく、何も起きていない今だからこそ考えておくことです。
大地震で被災された皆さまへ
これまで日本では、幾度となく大きな地震が発生し、多くの尊い命が失われてきました。大地震によって犠牲となられた方々に、心より哀悼の意を表します。
また、被災されたすべての皆さま、そして現在も地震の影響を受けながら生活されている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
大地震は、一瞬にして私たちの日常を変えてしまいます。
だからこそ、過去の災害から学び、同じような被害を少しでも減らしていくことが、私たちにできる大切なことの一つではないでしょうか。
- 家具を固定する。
- 逃げ道を確保する。
- 必要なものを備える。
- 家族で話し合う。
- 地域の危険を知る。
どれも小さな心がけかもしれません。
しかし、その一つひとつの積み重ねが、いざというときに自分や大切な人の命を守ることにつながります。
防災・減災は、特別なことではありません。
普段の暮らしの中で、できることから一つずつ。
過去の災害で犠牲になられた方々への思いを胸に、そして被災された皆さまの一日も早い復旧・復興を願いながら、私たち一人ひとりができる防災・減災について、今一度考えてみたいと思います。
できることから、今日ひとつ。
それが、大切な命と暮らしを守るための第一歩です。
追記:大地震に備える家具固定のポイント

大地震への防災・減災という観点なら、家具固定は「倒れないようにする」だけでなく、倒れても人や避難経路を傷つけない・塞がないことまで考えるのがポイントです。
家具固定のポイント
- 背の高い家具は必ず固定する
- タンス・本棚・食器棚などは、壁や柱にしっかり固定。
- 家具の上に重い物を置かない。
- 寝室には背の高い家具を置かない
- 特にベッドの頭側には、タンスや本棚を置かない。
- 「寝ているところに倒れてこない」が最優先です。
- 避難経路を塞がない配置にする
- 家具を固定していても、倒れた家具や収納物がドアを塞げば避難できません。
- 玄関・廊下・階段などの避難経路には、できるだけ家具を置かない。
- テレビ・電子レンジなども固定する
- 大きな家具だけでなく、テレビや家電の落下・移動にも注意。
- 棚の上の小物も飛び出さないようにする。
- 食器棚は「扉が開かない」対策も
- 食器が飛び出さないよう、扉にストッパーを付ける。
- ガラス扉には飛散防止対策をする。
- 家具と壁の間を確認する
- 家具を固定する際は、壁の下地など、十分な強度のある部分に固定することが重要です。
- 固定器具は家具の重量や壁の構造に適したものを選びます。
一番大切な考え方
「家具を固定する」
↓
「家具が倒れても人に当たらない」
↓
「倒れても逃げ道を塞がない」
家具固定は「倒さない」だけでなく「逃げ道を塞がない」ことが大切です。
特に寝室では、ベッドの周囲に背の高い家具を置かないようにしましょう。
